
最終更新日: 2026年7月13日
宿泊税とは、ホテル・旅館・民泊などに泊まる宿泊者に対して、1人1泊ごとに課される地方税です。 税額や課税の条件は自治体ごとに異なり、集められた税収は観光振興やオーバーツーリズム対策などに使われます。
「旅行の予約をしたら『宿泊税』って項目があったけど、これ何?」
「これから民泊を始めたいけど、宿泊税って自分が払うの?ゲストが払うの?」
「うちの地域でも宿泊税が始まるらしい。いくらかかるんだろう…」
こんにちは。エアホスト デジタルマーケティング部です。この記事では、そんな「宿泊税って結局なに?」という疑問に、対象・税額・導入自治体・いつから始まるのかまで、まるっとわかりやすくお答えします。旅行者の方はもちろん、これから宿泊施設を運営する方にも役立つ内容ですよ。
宿泊税とは、宿泊者が1人1泊ごとに負担する地方税(法定外目的税)
実際にお金を払うのはゲスト。ただし施設が代わりに徴収して納める(特別徴収)
税額は自治体ごとに違い、定額・階層・定率の3方式がある
2025年末で17自治体だったのが、2026年末までに約50自治体規模へ急拡大する見込み
運営者にとっては、徴収・計算・申告の実務負担が課題に

宿泊税とは?
ホテル・旅館・民泊などの宿泊者に対して、宿泊料金や宿泊日数に応じて課される地方税(法定外目的税)のこと。使いみちが「観光の振興」などに限定されているのが特徴で、宿泊者が負担し、宿泊施設が代わりに徴収して自治体へ納めます。「ホテル税」「観光税」と呼ばれることもあります。
宿泊税は、観光にかかわる費用をまかなうために導入されている税金です。
具体的には、観光案内の充実、多言語対応、公共施設やインフラの整備、そして近年増えているオーバーツーリズム(観光公害)対策などに使われます。ゴミ処理や混雑対策、地域住民の生活環境を守るための費用としても活用されているんです。
つまり宿泊税は、「その地域を訪れる人に、観光地を支える費用を少しずつ負担してもらう」という考え方にもとづいた税金だといえます。

ここが多くの方が迷うポイントです。結論から言うと、宿泊税を負担するのは宿泊者(ゲスト)です。
ただし、ゲストが自分で役所に納めるわけではありません。宿泊料金と一緒に施設が受け取り、施設がまとめて自治体に納付するしくみになっています。これを「特別徴収」といいます。
だれが | 役割 |
宿泊者(ゲスト) | 宿泊税を実際に負担する人 |
宿泊施設(オーナー) | ゲストから預かり、自治体へ納める(特別徴収義務者) |
自治体 | 税を受け取り、観光振興などに使う |
ここで運営者が注意したいのが、徴収し忘れても納税義務は施設に残るという点。うっかり取りそびれた分も、施設が自腹で納めることになります。
なお、多くの自治体には免税点が設けられており、たとえば「1人1泊の宿泊料金が5,000円未満なら非課税」といったルールがあります。修学旅行など、特定の目的の宿泊が免除されるケースもあります。免税の条件も自治体ごとに違うので、確認が必要です。
宿泊税の金額は、自治体によって大きく3つの方式に分かれます。
方式 | しくみ | 例 |
定額制 | 1人1泊あたり一律◯円 | 福岡市など |
階層制(段階定額) | 宿泊料金帯に応じて税額が変わる | 東京都・京都市・大阪府など |
定率制 | 宿泊料金の◯% | 倶知安町(ニセコ)など |
たとえば東京都は階層制で、宿泊料金が高いほど税額も上がるしくみです。一方、北海道の倶知安町は宿泊料金の2%という定率制を採用しています。
さらにややこしいのが、都道府県税と市町村税が二重にかかる「併課」があること。たとえば北海道+札幌市、宮城県+仙台市のように、1泊で2種類の宿泊税がかかる地域もあるんです。
2026年時点で宿泊税を導入している(または導入予定の)主な自治体は、以下の通りです。
地域 | 主な導入自治体 |
北海道 | 北海道(道税)・札幌市・小樽市・函館市・倶知安町・ニセコ町 ほか |
東北 | 宮城県・仙台市 |
関東 | 東京都・神奈川県湯河原町 |
中部・関西 | 大阪府・京都市・岐阜県下呂市 |
中国・九州 | 広島県・福岡県・福岡市・北九州市・長崎市・熊本市 |
※導入・改定の状況は変わりやすいため、最新情報は各自治体の公式サイトでご確認ください。
こうして見ると、観光地として人気のエリアを中心に、全国へ広がっているのがわかりますね。
宿泊税の歴史は意外と古く、2002年に東京都が全国で初めて導入しました。その後、大阪府・京都市・福岡県などへ少しずつ広がってきました。
そして今、その動きが一気に加速しています。2025年末時点で17自治体だった導入自治体は、2026年に約30自治体が新たに課税を開始し、年末までに約50自治体規模へ急増する見込みです(報道ベース)。
背景には、インバウンド需要の回復と、それに伴うオーバーツーリズム対策の必要性があります。「宿泊税は一部の観光都市だけのもの」という時代は、もう終わりつつあるんです。
宿泊税を考えるうえで、意外と見落とされがちなのが消費税との関係です。
多くの自治体では、宿泊税の課税基準となる「宿泊料金」は、消費税を除いた金額(税抜)とされています。たとえば「宿泊料金5,000円未満は非課税」という場合、この5,000円は税抜価格で判定します。
税込・税抜のどちらで判定するかを間違えると、課税・非課税の線引きがズレてしまい、徴収ミスにつながります。運営者にとっては、地味ですがとても大事なポイントです。
ここまで読んで、これから施設を運営する方はこう感じたかもしれません。「対象の判定も、税額の計算も、申告も…けっこう大変そう」と。
そのとおりで、宿泊税は予約1件ごとに課税判定と計算が必要なうえ、OTA(予約サイト)経由の予約は税が徴収されずに入ってくることも多く、手作業だと徴収漏れや計算ミスが起きやすい税金です。複数の自治体で施設を運営していれば、その負担はさらに増えます。
こうした宿泊税の実務は、宿泊管理システム(PMS)で自動化できます。税額の自動計算、予約への自動追加、申告用レポートの作成までシステムに任せれば、人手の負担をぐっと減らせますよ。
詳しくは、こちらの記事で解説しています。
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宿泊者(ゲスト)が負担します。ただし宿泊者が直接納めるのではなく、宿泊施設が宿泊料金と一緒に預かり、自治体へまとめて納付します(特別徴収)。
自治体によって異なり、「定額制(1泊◯円)」「階層制(料金帯ごとに変動)」「定率制(料金の◯%)」の3方式があります。多くの自治体では1泊数百円程度ですが、高額な宿泊では税額も上がります。
多くの自治体に免税点があり、たとえば「1泊の宿泊料金が5,000円未満なら非課税」といったルールがあります。修学旅行などが免除される自治体もあります。条件は自治体ごとに異なります。
2002年に東京都が全国で初めて導入しました。2026年には新たに約30自治体が課税を開始し、年末までに全国で約50自治体規模へ拡大する見込みです。
はい。宿泊税は国籍を問わず、その施設に宿泊するすべての人が対象です。日本人・外国人にかかわらず同じように課税されます。
別の税金です。宿泊税は自治体が課す地方税で、消費税とは分けて扱われます。多くの自治体では、宿泊税の課税基準となる宿泊料金は消費税を除いた金額で判定されます。
宿泊税とは、宿泊者が1人1泊ごとに負担する地方税で、施設が代わりに徴収して自治体へ納めるしくみです。税額や条件は自治体ごとに異なり、2026年は全国で導入が一気に広がる「導入ラッシュ」の年になっています。
旅行者にとっては旅費の一部として、運営者にとっては正しく徴収・申告すべき実務として、これからますます身近になっていく税金です。特に施設を運営する方は、早めにしくみを理解し、システムを活用して効率よく対応していきましょう。
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本記事の自治体・税制に関する情報は2026年7月時点のものです。最新の課税条件は各自治体の公式サイトをご確認ください。